原因についての調査結果がロシア連邦宇宙局からJAXA経由で入ってきた。
プログレス(44P)の打上げ失敗と国際宇宙ステーション計画への影響について
第3段エンジン(RD-0110型)のテレメトリデータを分析した結果、 コンタミによりガスジェネレータの燃料流量が減少し、緊急自動停止に至ったことが判明。なんというか…言ってみれば結構つまらないトラブル。一段目(ななめについてる蓮根みたいなやつ)は正常に燃焼終了・分離、二段目(ロウソクの芯みたいなの)点火、フェアリングも正常に分離、二段目燃焼終了、分離までは正常。最上段、三段目の推進剤(ケロシン=灯油、軽油、ジェット燃料と同じようなもの)に不純物が混入したか何かの原因で仕様通りの推力が出なくなったため自動的にカットオフ、軌道に届かず飛行終了。
このソユーズというロケットの基本設計は50年以上前のICBM(大陸間弾道弾)R-7からの転用。東西冷戦期に西側アメリカのフォン・ブラウンと並び称された、かのセルゲイ・コロリョフが率いるコロリョフ設計局によるもの。
現役で運用されているプロジェクトの中ではかなり枯れたプロダクトなんですけどね。設計、実装、運用が三位一体で動けないとプロジェクトはうまくいかない。まるで原発みたいじゃないですか。
ロシア…にかぎらずロケットには結構つまらない原因で落ちるものが多い。
昨年末のプロトンが落ちた理由はにわかに信じがたい。プロトンももともとはICBMとして設計されたものの転用だけどソユーズとは出自が別。こちらも三段目のトラブル。推進剤はソユーズのケロシン+液体酸素に対してこちらは非対称ジメチルヒドラジン、酸化剤は四酸化二窒素。どちらも猛毒です。
測位衛星3基を載せたプロトンロケット、打ち上げ失敗
Russia clears Proton to resume flying in December
Operating on outdated procedures, Russian fueling technicians filled the Block DM oxidizer tank to a level prescribed for earlier Block DM stages,(中略)The fueling team unknowingly loaded more propellant than necessary into the Block DMえっと。。。燃料タンクの設計変更があったにもかかわらず、原始的な方法で酸化剤を注入していたら入れすぎてしまって質量が超過、必要な速度が得られず失敗。
うーん、おそロシア。
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