2011/10/27

政治に翻弄される。

こんなの買ってみました。PayPalの即時決済で5,688円。

SPACE SHUTTLE BURAN HEAT SHIELD THERMAL BLACK TILE



Buran計画はソ連崩壊とともにうやむやに立ち消えとなった儚い有人往還機の夢。
せっかくだから出品者に「これ実際に飛んだやつから取ったの?」と聞いてみた。
いわく「計画自体が中止になっちゃったから作ってる途中の個体から取ったものだよ。実際に宇宙に行ってきたやつはカザフスタンのバイコヌール宇宙基地に保管されてたみたいだけど、数年前に格納庫ごと崩れて壊れちゃったから部品を取るのは難しそうだなぁ」だそうです。

Buran Orbiterは、まず実験用の実物大模型や試験機が計8機製造された。

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1号機:実物大試験機
各種部品や打ち上げるロケット"Energya"とのフィッティングや静的負荷試験に使用。しばらくバイコヌール宇宙基地の野外に放置されたのち、2007年から現在は同基地内の博物館に展示。

2号機:実物大空力実験機
実際に25人を乗せて大気中を試験飛行した。2000年のシドニーオリンピック期間中、会場に展示。その後2002年から2007年までバーレーンで保存され、現在はドイツのシュパイア技術博物館で常設展示されている。

3号機:実物大モックアップ
電気電子系試験用。モスクワ近くのコロリョフ設計局に保管されている。

4号機:実物大モックアップ
マニュアル作成と訓練用。ロケットとの接続試験も行なった。バイコヌール宇宙基地に保管。

5号機:試験機(機体構造の一部のみ?)
次世代機のための振動や耐熱試験を行なう予定だった。現在は消息不明。

6号機:ペイロード試験機
宇宙空間を模した"environmental chamber"(人工環境室)でペイロード(貨物)の各種実験を行なった。現在はモスクワ近くのНИИХИММАШ(発音不明)試験施設に保管されている。

7号機:実物大試験機
静的および動的飛行負荷試験、振動・耐熱試験
モスクワのゴーリキー公園に展示。耐熱タイル部分は木製のフェイクで覆っていたが、雨ざらしで傷んできたため剥がし取り、現在は金属の機体に直に黒ペンキで塗って遠目に見るとタイルが貼ってあるような外観になっている。

8号機:実験機(一部のみ?)
真空試験、耐熱試験等を行なったが、その後は不明。
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ここから先は実用機、またはその予定だった機体。

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1号機:ブラン、またはブラーン
生命維持装置等は搭載しないまま無人で試験飛行、約206分で軌道を2周して無事に戻ってきた。
この個体がバイコヌール宇宙基地"Site 112"ので保管中に暴風で格納庫(hanger housing)ごと崩壊。Orbiter損傷のみならず作業員8名も死亡の惨事。すくなくとも2008年前半の時点では依然として瓦礫の山に埋もれたまま。

The Buran Space Shuttle.

2号機:プチーチュカ(小鳥の意)
95%程度まで完成していたが、残りわずかな電子電気系の搭載を待たずして計画消滅。1991年に無人で初飛行、1993年には生命維持装置を搭載して有人飛行の予定だった。バイコヌール宇宙基地内のMIKビルに保管されている。プチーチュカはBuran Orbiterの一般名詞になるはずだった。

3号機:名称未定
計画変更後、1995年に初の有人飛行予定だったが4割程度しか完成していない。モスクワのTushino factoryで雨ざらしになっている。2004年ごろNPO Molniyaへの移送や前出のシュパイア技術博物館に売却される可能性が報じられたこともあるが、すくなくとも2009年までは当時の状態から変わっていない。

4号機:名称未定
有人飛行の2号機として運用される予定だった機体。計画が消滅した時点で2割ほど完成。これもモスクワのTushino factoryの野外で雨ざらし。取り外された耐熱タイルがネットオークションに出品されている。←こいつか!

5号機:名称未定
有人3号機として運用予定だったが未完成のまま分解されて現存しない。
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オマケ。窓んとこ。約30万円。

BURAN PORTHOLE very rar Space Shuttle Buran Baikal

2 件のコメント:

  1. こういうガラクタをやっぱり欲しくなるよね。
    俺は昔F104の射出座席を買い損ねた。他の人が先に買ってしまったのがうらやましくて「20万なら出す」ってつぶやいたら店の人がおもしろがって先約の人に「おい20万だすってよ」って言ったんだ。
    そしたらその人は「金の問題じゃねえ」って言った。
    ちょっとイイ話な (そうか?)

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  2. あっちにしてみりゃ「捨てるのもタダじゃねえ」っつう話ですよ。互助精神!種子島宇宙センターじゃTR-IAロケットのローンチャとか海風で自然に朽ちるの待ってますから。

    射出座席いいですね。白井内燃機さんのAfterBurnerライト筐体と合体させたい。

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